毎月決まった金額を支払うだけで、同じサービスを何回でも利用できるのがサブスクリプションサービスの魅力です。定額制の場合、消費者側は「1回の支払いでいい」、「元を取りやすい」といった心理的なお得感を感じられます。一方、サービス提供側は一定の収入を約束されるので、収支コントロールが容易になるというメリットがある訳です。
このように、双方に魅力があるサブスクリプションサービスですが、この記事では、定額制を導入した結果、成功を収めたという企業の例を3つ紹介します。
1.サブスクリプションの成功事例3選!
早速サブスクリプションサービスの成功例を3つ見てみましょう。食材出荷サービス、居酒屋、家計簿アプリの3つの例を取り上げます。
事例1:食材宅配サービス「Oisix」の場合
「Oisix」は食材とその食材を調理するためのレシピを届けてくれる食材宅配サービスです。このオイシックスが採用しているのがサブスクリプションサービスです。一流生産者から直接オイシックスが食材を買い付けてユーザーに新鮮な商品を届けるサービスですが、すでに利用者数が260万人を達成している超人気サービスです。
Oisixは登録後に毎週5,000円~6,000円相当の食材が送られてくるというサブスクリプションサービスですが、実は食材そのものの価格はスーパーより安いわけではありません。しかし、普通のスーパーでは買えない安全でおいしい食材が届くのがオイシックスの魅力です。有機野菜や珍しい野菜が届くなど、豊かな食卓を演出できるとして人気が高まっています。
2019年3月期における売上高と営業利益は過去最高を更新するなど順風満帆ですが、創業以来19年連続でサービス規模を拡大しています。女性からの人気が高く、今後も成長が大きく見込まれています。
事例2:居酒屋「アンドモア」の場合
「アンドモア」は、居酒屋のサブスクリプションサービスです。月額定額制飲み放題サービスを展開していて、なんとカードを見せると全250種類のドリンクが呑み放題になります。1か月3,000円、2か月5,000円、3か月7,000円、4か月10,000円という4つのプランがあります。
「アンドモア」公式サイト:http://andmowa.com/mmp/
通常の飲み放題サービスの場合、1回来店するごとに一定金額を払うのが従来のパターンでしたが、アンドモアは月額制という長いスパンでの飲み放題サービスです。そのため、飲み代が大幅に削減できるとしてかなりの人気を博しています。この画期的なサブスクリプションサービスは多くのメディアに取り上げられ、売り上げが前年対比158%にもなる店舗も現れるなど、かなり好調です。
事例3:家計簿アプリ「マネーフォワード ME」の場合
「マネーフォワード ME」は家計簿アプリですが、数ある家計簿アプリの中でもシェアの大きいサービスです。2019年2月時点でユーザー数は750万人を突破していますが、そのうち18万人は有料サブスクリプションサービスを活用しています。年額5,300円~5,500円の支払いで家計診断や金融関連サービス連携機能など家計をやりくりするのに役立つツールを利用できます(月額プランもあり)。
「マネーフォワード ME」公式サイト:https://corp.moneyforward.com/news/release/service/20190312-mf-press/
無料会員の方が、有料のサブスクリプションサービス利用者より圧倒的に多いのは確かです。しかし、より高度な家計改善サービスを提供する定額サブスクリプションサービスによって、無料会員よりもさらに効率的な収支改善ができるとして、着実にユーザー数は増えています。2017年11月時点では12万人強でしたが、2019年3月時点ではすでに50%増の18万人に達しています。
2.まとめ
異なる業種のサブスクリプションサービスを3つほど紹介しました。それぞれ定額サービスの内容は異なりますが、共通しているのは特別感やお得感など、従来のサービスにはないものを提供している点です。
オイシックスでは品質が優れていてかつ、そこら辺では手に入りにくい商品を定額で扱っています。アンドモアは珍しい月額制の飲み放題を取り入れたことで圧倒的な話題性を見せつけています。マネーフォワードMEは高度な機能を持つツールを提供しています。このように成功しているサブスクリプションサービスは、単なる価格以上の付加価値を持っているのが特徴です。
「ありそうでなかったサービスを、元々コスパの高いイメージがあるサブスクリプションとミックスすることで、消費者のハートをつかみやすくする」、これが紹介した成功事例から導き出せる1つの重要なポイントと言えます。